キンモクセイが大きく育ちすぎてしまい、どのように手入れをすれば良いか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
庭木として人気がある一方で、成長が早いために放置すると高くなりすぎてしまうことがあります。樹高を低くしたいと考えたとき、間違ったタイミングで枝を切ると花が咲かなくなる失敗を招く可能性があります。
特に花芽が作られる9月頃や真冬などは剪定には適さないダメな時期といえます。木への負担が大きいバッサリ剪定や強剪定を行う場合は、適切なシーズンを見極めることが大切です。
また、風通しを良くする透かし剪定時期や、樹形をおしゃれに整えるコツを知ることで、毎年美しい花と香りを楽しむことができます。
この記事では、伸びすぎた枝を整理して全体を小さくするために、正しい知識を身につけて実践してみましょう。
- キンモクセイの剪定に適した時期と避けるべきタイミング
- 樹高を抑えておしゃれな樹形に仕立てる具体的な方法
- 失敗を防ぐための透かし剪定や強剪定のポイント
- 自分で手入れが難しい場合のプロへの依頼検討
キンモクセイの剪定時期と避けるべきタイミング

キンモクセイを健康に保ちながら美しい花を楽しむためには、剪定に適したシーズンと絶対に切ってはいけない時期を正しく理解しておくことが何よりも大切です。
- キンモクセイ剪定のダメな時期は夏と冬
- 花芽分化が始まる9月の剪定は要注意
- 透かし剪定時期は花後すぐか春に行う
- 花が咲かない失敗を避ける剪定のコツ
- 剪定に必要な道具を事前に準備しよう
キンモクセイ剪定のダメな時期は夏と冬
キンモクセイの手入れにおいて、剪定を避けるべき季節が存在します。具体的には、気温が高い真夏の時期と、寒さが厳しい真冬の時期です。これらは木にとって体力を消耗しやすい、あるいは回復力が低下しているタイミングであるため、枝を切ることで枯れるリスクが高まります。
夏の剪定が推奨されない理由は、強い日差しと高温による乾燥です。この時期に枝葉を減らしてしまうと、幹に直射日光が当たり、樹皮が焼けて木が弱ってしまうことがあります。また、水分の蒸散バランスが崩れ、脱水症状のような状態に陥る可能性も否定できません。
冬の剪定に関しては、キンモクセイがあまり寒さに強くない常緑樹であることが関係しています。休眠期に近い状態ではありますが、厳寒期に葉を減らすと寒風の影響を強く受け、枝枯れを起こす原因となります。特に寒冷地においては、冬場の剪定は避け、暖かくなるのを待つほうが賢明です。
花芽分化が始まる9月の剪定は要注意
秋の開花を楽しみにしている場合、9月頃の剪定には細心の注意が必要です。キンモクセイは、夏(8月頃)に花芽が作られ始め、秋に向けて蕾が膨らんでいきます。9月に入ってから枝先を刈り込んでしまうと、形成されたばかりの花芽を全て切り落としてしまうことになるからです。
「少し枝が伸びてきたから」といってこの時期に全体を整えると、その年の花が全く咲かないという事態になりかねません。花芽は枝の先端付近の葉の脇に付く性質があるため、外側を刈り込む作業は花芽の除去に直結します。
もし、どうしても邪魔な枝がある場合は、花芽が付いていないことが明らかな徒長枝(勢いよく飛び出した枝)を根元から切る程度に留めてください。全体的なシルエットを整えるのは、花が終わった後まで待つことが大切です。
透かし剪定時期は花後すぐか春に行う
枝を間引いて風通しを良くする「透かし剪定」に適しているのは、花が咲き終わった直後の10月下旬から11月、または新芽が出る前の3月から4月上旬です。
花後の剪定は、今年伸びた枝を整理する軽い剪定に向いています。花が終わってすぐであれば、まだ本格的な冬の寒さが到来する前に切り口が癒合しやすいため、木への負担を最小限に抑えられます。ただし、前述の通り寒冷地ではこの時期の剪定を控え、春まで待つほうが無難です。
春の3月から4月は、これから暖かくなり木の成長が活発になる時期です。このタイミングであれば、ある程度しっかりと枝を透かしても、回復が早いため問題ありません。古い葉が落ちて新芽に入れ替わる時期でもあるので、全体のバランスを見ながら不要な枝を取り除くのに最適なシーズンと言えます。
季節ごとの剪定適性表
| 時期 | 剪定の種類 | 適性 | 理由・注意点 |
| 3月~4月 | 強剪定・透かし剪定 | 最適 | 新芽が出る前で回復が早く、樹形を大きく変えるのに適している。 |
|---|---|---|---|
| 5月~6月 | 軽い刈り込み | 可能 | 新芽が落ち着いた頃。深く切ると花芽形成に影響する可能性あり。 |
| 7月~9月 | 剪定不可 | 不可 | 花芽分化の時期および高温期のため、原則として行わない。 |
| 10月~11月 | 弱剪定・透かし剪定 | 適 | 花後すぐ。冬に備えて軽く整える程度に留める。 |
| 12月~2月 | 剪定不可 | 不可 | 寒さで傷みやすいため避ける。 |
花が咲かない失敗を避ける剪定のコツ
翌シーズンに花が咲かないという失敗を防ぐためには、花芽のメカニズムを理解した上でハサミを入れることが求められます。最も確実な方法は、春から初夏にかけて剪定を済ませておき、夏以降は強い剪定を控えることです。
また、全ての枝先を一律に切り詰める「丸坊主」のような切り方は避けてください。葉が全くない状態にすると、木は生命維持のために枝を伸ばすことにエネルギーを集中させます。その結果、花芽を作る余力がなくなり、数年にわたって花が咲かなくなることがあります。
剪定をする際は、必ず葉を残すことを意識しましょう。枝の途中で切る場合でも、緑の葉が残っている節の上で切るようにすれば、そこから新しい枝が伸び、健全な成長を促せます。小さな枝にも花芽が付く可能性があるため、細すぎる枝を全て取り除くのではなく、適度に残しておくこともポイントです。
剪定に必要な道具を事前に準備しよう
スムーズかつ安全に作業を進めるためには、適切な道具を揃えておくことが大切です。用途に合わせた道具を使うことで、切り口がきれいになり、木へのダメージも軽減できます。
基本の道具リスト
- 剪定バサミ: 直径1.5cm程度までの枝を切るのに使用します。手になじむサイズを選びましょう。
- 植木バサミ: 細かい枝や葉を整えるために使います。刃先が細くなっているものが便利です。
- 刈り込みバサミ: 生垣や玉仕立てなど、広い面を均一に整える際に必要です。
- 剪定ノコギリ: ハサミでは切れない太い枝や幹を切る際に使用します。
- 脚立: 高い場所の作業に必須です。庭の地面は不安定なことが多いため、造園用の三脚タイプが安定します。
- 手袋: 枝葉から手を守るために着用します。軍手よりも、滑り止めがついた園芸用手袋がおすすめです。
- 癒合剤: 太い枝を切った後の切り口に塗り、雑菌の侵入や水分の蒸発を防ぎます。
目的別キンモクセイの剪定時期と切り方の手順

庭のスペースに合わせて木を小さくしたり、自分好みの樹形に整えたりするためには、目的に応じた適切な切り方と手順をマスターする必要があります。
- 伸びすぎた枝を切って小さくする方法
- 高さを抑えて低くしたいなら主幹を切る
- バッサリ剪定する強剪定は春がベスト
- 刈り込み剪定でおしゃれな樹形を作る
- 自分で切れない時はプロに依頼する
- まとめ:キンモクセイの剪定時期を守ろう
伸びすぎた枝を切って小さくする方法
全体的に大きくなってしまったキンモクセイを小さくするには、まず不要な枝を根元から取り除く「間引き」から始めます。いきなり外側を刈り込むのではなく、内部の混み合った枝を整理することで、一回り小さく見えるようになります。
切るべき枝は「忌み枝(いみえだ)」と呼ばれ、樹形を乱したり成長を阻害したりする枝です。具体的には以下のような枝を探して切り落としてください。
- 枯れ枝: 既に枯れてしまっている枝。
- 徒長枝: 勢いよく真上に突き出ている枝。
- 交差枝: 他の枝と交差して傷つけ合う恐れがある枝。
- 内向き枝: 幹の方向に向かって伸びている枝。
- ひこばえ: 根元から生えてくる細い枝。
これらの枝を付け根から切るだけで、木の中にスペースが生まれ、光と風が入るようになります。その後、外側に伸びすぎている枝を、葉のある節のすぐ上で切り戻すことで、自然な形でサイズダウンさせることができます。
高さを抑えて低くしたいなら主幹を切る
樹高が高くなりすぎて管理が難しくなった場合、高さを下げるための剪定が必要です。これを「芯止め(しんどめ)」と呼びます。単に上部を切るだけでなく、今後どの高さで維持したいかを決めて行う作業です。
手順としては、まず木の中心となっている太い幹(主幹)の先端を、希望する高さの位置まで切り戻します。このとき、必ず枝分かれしている部分のすぐ上で切ることが重要です。棒状に幹だけを残して切ってしまうと、切り口から腐りやすくなったり、不自然な樹形になったりします。
主幹を切ると、木の成長エネルギーは横方向や下の枝に向かいます。そのため、上部を止めた後は、横に広がりすぎないように側面の枝もバランスよく切り詰める必要があります。高い位置での作業となるため、脚立の設置場所など安全確保には十分に配慮してください。
バッサリ剪定する強剪定は春がベスト
数年間手入れをしておらず、形が崩れてしまったキンモクセイを元の大きさに戻すには、太い枝を含めてバッサリと切る「強剪定」が必要になることがあります。この作業は木に非常に大きなストレスを与えるため、実施する時期が極めて重要です。
強剪定に最も適しているのは、新芽が動き出す直前の3月から4月上旬です。この時期は、冬の休眠から覚めて成長期に入るタイミングであり、切った後の傷口を癒やす力や、新しい枝を伸ばす力が最も強くなっています。
太い枝をノコギリで切断する場合は、枝の重みで樹皮が裂けないように注意しましょう。まず枝の下側から3分の1ほど切り込みを入れ、その後に上から切り落とす「二度切り」を行うときれいに切れます。また、切り口には必ず癒合剤を塗布し、病原菌の侵入を防ぐケアを行ってください。強剪定を行った年は、花が咲かないことが多いですが、木の健康と将来の樹形のために必要な処置と割り切りましょう。
刈り込み剪定でおしゃれな樹形を作る
キンモクセイは、枝が密に茂る性質があるため、好みの形に整える「刈り込み剪定」に適しています。一般的な円筒形や、丸い玉仕立てなど、庭の雰囲気に合わせておしゃれに仕立てることが可能です。
形を整える際は、刈り込みバサミやヘッジトリマー(電動バリカン)を使用します。コツは、木から少し離れて全体像をイメージしてから、上から下へと刈り込んでいくことです。まずは上面を平ら、あるいは緩やかなカーブに整え、次に側面を上から下に向かって刈っていきます。
下に行くほど少し広がるように刈り込むと、下枝にも日が当たりやすくなり、バランスの良い安定した樹形になります。一度に深く刈り込みすぎず、少しずつ表面を撫でるように整えていくと失敗が少なくなります。定期的に離れた位置から全体を確認し、左右のバランスを調整しながら進めてください。
自分で切れない時はプロに依頼する
樹高が3メートルを超えて脚立でも届かない場合や、太い枝が多くて自分では切れない場合は、無理をせずに造園業者や植木屋などのプロに依頼することを検討しましょう。
高所での慣れない作業は転落などの事故につながる危険性があります。また、大量に出る剪定枝の処分も、個人で行うには大きな労力を要します。プロに依頼すれば、安全に作業を行ってくれるだけでなく、木の健康状態を見極めた適切な剪定が期待でき、枝の処分まで任せることができます。
費用の目安は、木の高さや作業内容によって異なりますが、3メートル未満であれば数千円から依頼できる場合もあります。見積もりを取る際は、複数の業者に相談し、料金体系や作業内容(ゴミ処理費が含まれているかなど)を確認すると安心です。
まとめ:キンモクセイの剪定時期を守ろう
キンモクセイの剪定は、適切な時期に行うことが成功への近道です。おしゃれな樹形を保ち、毎年良い香りを楽しむためには、9月の花芽分化期や真冬、真夏といったダメな時期を避け、春や花後に手入れを行うことが鍵となります。大きく育ちすぎた木を低くしたい場合や、バッサリと小さくする強剪定を行う場合は、木への負担を考慮して春先の実施を心がけてください。また、透かし剪定で風通しを良くすることは病害虫予防にもつながります。
自分で剪定を行う際は、以下のポイントを再確認して失敗を防ぎましょう。
- 強剪定やバッサリ切り戻す作業は、回復力の高い3月~4月に行う。
- 9月以降の剪定は花芽を切り落とす可能性があるため、原則として控える。
- 樹高を低くしたいときは、主幹の枝分かれ部分で芯止めを行う。
- 風通しを良くする透かし剪定時期は、花後すぐか春が適している。
- 丸坊主にすると枯れるリスクがあるため、必ず葉を残して剪定する。

