ゼラニウムを長く楽しむためには、適切な時期に手入れをすることが大切です。しかし、茎が長いのを放置して樹形が乱れてしまったり、冬に作業をして株を弱らせてしまったりするケースも少なくありません。特に悩ましいのが、株元が木のようになった状態ではないでしょうか。
木質化に関する剪定では、葉がない部分から芽が出るのか不安に思う方もいるはずです。
この記事では、失敗しない剪定の仕方や、具体的な切り戻しの位置、どこを切るかという疑問について解説します。切った枝を使った挿し木の方法についても触れますので、ぜひ参考にしてください。
- ゼラニウムの剪定に適したベストな時期と避けるべきタイミング
- 徒長して伸びすぎた茎や木質化した株の具体的な切り戻し位置
- 葉がない部分まで木質化した株を再生させるための注意点
- 剪定した枝を無駄にせず挿し木で増やすための手順と土選び
ゼラニウムの剪定時期と正しいやり方

ゼラニウムは成長が早く、放っておくと茎が伸びすぎてバランスが悪くなりがちです。適切なタイミングでハサミを入れることで、通気性が良くなり病気を防げるほか、花つきを良くする効果も期待できます。ここでは、株への負担を最小限に抑えながら、元気に育てるための基本的なルールと具体的な手順について解説します。
- ゼラニウムの剪定に適した時期
- 冬の剪定は株が弱るため避ける
- 失敗しない剪定の仕方と手順
- 茎が長い徒長した株の対処法
- 剪定時は具体的にどこを切る?
- 適切な切り戻しの位置や節
ゼラニウムの剪定に適した時期
ゼラニウムの剪定を行うのに最も適したタイミングは、生育が旺盛になる春から初夏にかけての「3月から6月頃」、または暑さが落ち着いた秋の「9月から10月頃」とされています。この期間であれば、枝を切ってもすぐに新しい芽が伸びてくるため、株へのダメージが回復しやすいというメリットがあります。特に梅雨入り前に切り戻しを行っておくと、株の中の風通しが良くなり、高温多湿による蒸れを防ぐことにもつながります。
冬の剪定は株が弱るため避ける
日本の冬の寒さは、ゼラニウムにとって大きなストレスとなります。気温が下がり成長が止まっている冬の時期に深く切り戻してしまうと、切り口から枯れ込んだり、回復する体力が残っておらず株全体が枯れてしまったりするリスクが高まります。枯れた葉や花がらを取り除く程度の手入れは問題ありませんが、形を整えるための本格的なカットは、気温が上がり霜の心配がなくなる春まで待つのが賢明です。
失敗しない剪定の仕方と手順
剪定を成功させるためには、清潔なハサミを用意することが第一歩です。汚れたハサミを使うと切り口から雑菌が入り、病気の原因になることがあります。手順としては、まず茶色く変色した葉や咲き終わった花茎を根元から取り除きます。次に、全体のバランスを見ながら、混み合っている枝や細くて弱い枝を間引いていきます。太い枝を切る際は、水平ではなく斜めに刃を入れると、切り口に水が溜まりにくく腐敗を防げると考えられています。
茎が長い徒長した株の対処法
日当たり不足や水のやりすぎなどが原因で、茎がひょろひょろと長く伸びてしまうことを徒長と呼びます。徒長した株は見た目が悪いだけでなく、風で折れやすかったり花つきが悪くなったりします。このような状態になった場合は、思い切って深く切り戻しを行い、仕立て直しをすることをおすすめします。一度短くすることで、株元に近い部分から新しい脇芽が出るのを促し、こんもりとした密度の高い株姿へ再生させることが可能です。
剪定時は具体的にどこを切る?
枝を切る際は、必ず「節(ふし)」の位置を確認してください。節とは、葉が生えている付け根や、茎にある横線の入った部分のことです。ゼラニウムの新しい芽は、この節の部分から出てくる性質があります。そのため、切りたい位置にある節の5mmから1cmほど上を目安にカットします。節から離れすぎた位置で切ると、残った茎の部分が枯れ込んでしまい、見た目が悪くなるだけでなく病気の入り口になることもあるので注意が必要です。
適切な切り戻しの位置や節
株全体のサイズを小さくしたい場合や、大きくリフレッシュさせたい場合の切り戻しは、現在の草丈の2分の1から3分の1程度の高さを目安に残すと良いでしょう。ただし、闇雲に高さを揃えるのではなく、必ず「元気な葉がついている節」を残すことが大切です。葉が残っていれば光合成ができるため、切った後の回復がスムーズになります。理想的な樹形をイメージしながら、それぞれの枝の節の上でハサミを入れるよう意識してみてください。
木質化したゼラニウムの剪定と増やし方

長く育てているゼラニウムは、株元の茎が茶色く硬くなり、まるで木の幹のようになる「木質化」という現象が起こります。これは植物が成熟した証でもありますが、放置すると下葉が落ちてスカスカになり、見栄えが悪くなる原因にもなります。ここでは、木質化した株を若返らせるためのポイントや、切り取った枝を活用して株を増やす方法について詳しく見ていきましょう。
- 木質化した株の剪定ポイント
- 木質化して葉がない株の再生
- 切った枝を挿し木にして増やす
- ゼラニウムの剪定で長く花を楽しむ
木質化した株の剪定ポイント
木質化した部分は新しい芽が出にくい傾向にありますが、適切な手入れをすれば再び緑の葉を茂らせることは可能です。ポイントは、一度にすべての枝を根元まで切るのではなく、緑色の茎が残っている部分を含めて切り戻すことです。木質化した部分と緑色の部分の境目あたりには、潜在的な芽(休眠芽)が存在することが多いため、この付近で剪定を行うと新しい枝が伸びてきやすいと言われています。全体のバランスを見ながら、少しずつ段階的に切っていくのも一つの方法です。
木質化して葉がない株の再生
最も注意が必要なのが、葉が全くなくなり、完全に木質化した棒状の枝だけになってしまった場合です。葉がない部分で切断してしまうと、光合成ができずにそのまま枯れてしまうリスクが高いため、慎重な判断が求められます。
芽吹きのサインを確認する
安全に再生させるためには、木質化した茎の表面をよく観察し、**小さな緑色の突起(新芽の兆候)**がないか探してください。もし小さな芽が見つかれば、その少し上で切ることで、そこから枝が伸びる可能性が高まります。
葉を残して更新する
安全策としては、先端に少しでも葉が残っている枝があれば、その葉を数枚残した状態で切り戻しを行います。こうすることで株の活力を維持しつつ、下のほうから新しい芽が出てくるのを待ちます。下から勢いのある芽が伸びてきたのを確認してから、古い木質化した枝を切り落とすと、失敗なく株を更新できるでしょう。
切った枝を挿し木にして増やす
剪定で切り落とした元気な枝は、捨てずに「挿し木」に利用することで新しい株として育てることができます。挿し木に適した時期は、剪定と同じく春や秋が最適です。
- 挿し穂の準備: 切り取った枝を10cmほどの長さに調整し、先端の葉を2〜3枚残して下の方の葉を取り除きます。
- 切り口の乾燥: ゼラニウムは多湿を嫌うため、切り口を半日から1日ほど日陰で乾かします。これにより、土に挿した後の腐敗を防ぎます。
- 土の選び方: 肥料分を含まない清潔な土を使います。「赤玉土(小粒)」や「バーミキュライト」、または市販の「挿し木専用土」がおすすめです。一般的な培養土は肥料が入っており、発根前の切り口が腐る原因になることがあるため避けたほうが無難です。
- 管理方法: 土に挿した後は、直射日光の当たらない明るい日陰に置き、土が乾きすぎないように管理します。順調にいけば1ヶ月ほどで根が出てきます。
ゼラニウムの剪定で長く花を楽しむ
今回は、ゼラニウムの剪定時期や木質化した株の対処法について解説しました。この記事で紹介した剪定の仕方、切り戻しの位置、挿し木の方法といったポイントを参考に手入れを行うことで、ゼラニウムは長く美しい花を咲かせ続けてくれるはずです。
この記事のまとめ
- 剪定は生育が盛んな**春(3月~6月)か秋(9月~10月)**に行い、真冬や真夏は避ける。
- 切り戻しを行う際は、必ず**「節」の5mm~1cm上**をカットし、病気や枯れ込みを防ぐ。
- 木質化して葉がない枝を強引に切ると枯れる恐れがあるため、新芽や葉を残すことが再生の鍵となる。
- 徒長して茎が長い場合は、全体の3分の1程度まで思い切って切り戻し、脇芽の成長を促す。
- 切り取った枝は切り口を乾かしてから、肥料分のない清潔な土に挿すことで簡単に増やせる。

