庭の景観を美しく保つために、防草シートと芝生の組み合わせを検討されている方は多いのではないでしょうか。
防草シートの上に芝生を植えていいのか、あるいは最初から人工芝と防草シートがセットになったタイプを選ぶべきか、判断に迷っているかもしれません。
最近では、カインズやコメリなどで防草シート一体型の商品が増えています。はたして、これらを使えば簡単に見栄え良く雑草対策ができるのでしょうか。
この記事では、人工芝と防草シート一体型の敷き方や、デメリットについて詳しく解説します。
- 天然芝と人工芝それぞれにおける防草シートの必要性の違い
- 防草シート付き人工芝(一体型)のメリットとデメリット
- 失敗しないための具体的な施工手順と境目の雑草対策
- ホームセンターでの入手性やメンテナンスのポイント
防草シートは芝生の下に必要か徹底解説

ここでは、芝生の下に防草シートを敷くべきか、天然芝と人工芝それぞれの特性を踏まえて解説します。防草シートが植物の生育に与える影響や、湿気による害虫リスク、さらには施工時によくある失敗例など、庭づくりを始める前に知っておくべきことを整理しました。
- 天然芝にシートを敷くとどうなる?
- 天然芝とシートの相性について
- 天然芝に防草シートは必要か
- シート裏のゴキブリ発生リスク
- よくある防草シート失敗例
- 隙間や境目の雑草対策
天然芝にシートを敷くとどうなる?
天然芝の下に防草シートを敷くことは、一般的に推奨されていません。その最大の理由は、芝生の根が十分に張れなくなることにあります。天然芝が健やかに育つためには、根を土中深くまで伸ばし、水分や養分を吸収する必要がありますが、防草シートがその成長を阻害してしまうのです。
根が浅いまま育った芝生は、乾燥や踏圧に対する体力が著しく低下します。夏場の強い日差しで枯れやすくなったり、人が歩いただけで剥がれてしまったりするリスクが高まります。また、シートが水はけを悪化させ、常に土が湿った状態になることで、根腐れや病気の原因となることも少なくありません。
さらに、シートの上に土を載せて芝を張った場合、その土壌自体に雑草の種が飛来すれば、結局シートの上で雑草が発芽します。つまり、下からの雑草は防げても、上からの雑草には無力であるため、期待するような防草効果が得られない可能性が高いと言えます。
天然芝とシートの相性について
前述の通り、天然芝と防草シートの相性は非常に悪いと言えます。天然芝は生き物であり、土壌環境と密接に関わって生息しています。一方、防草シートは光を遮断し、植物の成長を物理的に止めるための資材です。この相反する性質を持つ両者を組み合わせることは、植物の生理機能に反する行為となりがちです。
具体的には、以下のような問題が発生しやすくなります。
- 通気性の悪化: 芝生の根は呼吸を必要としますが、シートによって土壌の通気性が損なわれます。
- 透水性の阻害: 雨水がスムーズに地中に浸透せず、表面排水が悪くなることで苔(コケ)や藻が発生しやすくなります。
- メンテナンスの困難さ: 万が一芝生を張り替えたい場合、絡みついた根とシートを分離する作業は非常に困難を極めます。
これらの理由から、天然芝の健全な育成を望むのであれば、シートの使用は避け、適切な土壌改良を行うほうが賢明です。
天然芝に防草シートは必要か
結論から申し上げますと、天然芝を施工する場合、防草シートは基本的に「不要」です。むしろ、使用しないほうが芝生の健康維持にはプラスです。天然芝における雑草対策は、シートによる物理的な遮断ではなく、芝生自体を密に茂らせることによって行います。芝生が密度高く成長すれば、日光が地表に届きにくくなり、雑草の発芽や成長を自然に抑制できるからです。
もし、どうしても雑草を抑えたい場合は、芝張りの前に徹底的な除草を行い、根まで枯らす処理を施すことが最も効果的です。その上で、定期的な芝刈りと適切な施肥を行い、芝生の勢いを保つことが最大の防御となります。
一方で、人工芝を施工する場合は話が異なります。人工芝は植物ではないため、隙間や透水穴から生えてくる雑草を抑えるために、防草シートの敷設が「絶対条件」となります。このように、芝生の種類によってシートの必要性は正反対になることを理解しておきましょう。
シート裏のゴキブリ発生リスク
防草シートを敷く際に多くの方が懸念されるのが、シートの裏側が害虫、特にゴキブリの温床になるのではないかという点です。実際、シートの下は「暗く」「湿気があり」「天敵から身を守れる」という、害虫にとって好条件が揃いやすい環境になりがちです。
しかし、適切な対策を行うことで、そのリスクは大幅に低減可能です。主な対策は以下の通りです。
- 水はけの改善: 湿気を好む害虫を寄せ付けないため、下地を整地する際に水はけの良い山砂などを使用し、水たまりができないようにします。
- 有機物の除去: 落ち葉や枯れた雑草の根など、害虫のエサとなる有機物を施工前に徹底的に取り除きます。
- 隙間をなくす: シートと地面の間に隙間があると虫が侵入しやすくなるため、ピンでしっかりと固定し、密着させることが重要です。
また、砂利の下に敷く場合よりも、人工芝の下に敷く場合のほうが、上からの雨水が直接入り込みにくいため、比較的リスクは低いと考えられます。過度に心配するよりも、施工前の下地処理を丁寧に行うことが最良の予防策です。
よくある防草シート失敗例
防草シート選びや施工方法を誤ると、せっかくの対策が無駄になってしまうことがあります。代表的な失敗例としては、価格の安さを優先して「織布(しょくふ)」タイプのシートを選んでしまうケースが挙げられます。織り目のあるシートは、経年劣化で隙間ができやすく、スギナやチガヤといった突き抜け力の強い雑草に貫通されてしまうことが多々あります。
また、以下の点もよくある失敗の原因です。
- 重ね代(しろ)の不足: シート同士のつなぎ目の重ね合わせが少ないと、そこから光が漏れ込み、雑草が強力に生えてきます。最低でも10cm以上の重ね幅が必要です。
- 固定ピンの不足: ピンの打ち込み間隔が広すぎると、風でシートがめくれたり、隙間ができたりします。
- 遮光率の低いシート: 遮光率が99.5%未満のシートでは、光合成を完全に阻止できず、シートの下で雑草が生き延びてしまうことがあります。
長期的な効果を期待するなら、織り目のない「高密度不織布」タイプで、かつ遮光率の高い製品を選ぶことが、失敗を防ぐための鉄則です。
隙間や境目の雑草対策
どれほど高性能な防草シートを使用しても、壁際やコンクリートとの境界部分、あるいは人工芝の継ぎ目からは雑草が生えてくる可能性があります。これは、シートの端部がめくれたり、わずかな隙間に土埃が溜まって種が発芽したりするためです。
このような「キワ」の雑草を防ぐためには、専用の粘着テープや接着剤を使用して、シートの端をコンクリート部分や構造物に完全に密着させることが有効です。また、ピンで固定する際も、端部は通常よりも狭い間隔で打ち込み、浮き上がりを徹底的に防ぎます。
万が一、境目から雑草が生えてきてしまった場合は、小さいうちに抜き取ることが大切です。人工芝の透水穴から生えてきた場合も同様です。初期段階であれば簡単に処理できますが、放置して根が太くなると、抜く際にシートや人工芝を持ち上げてしまい、施工状態を悪化させる恐れがあります。定期的な点検と早めの対処が、美しい景観を保つ鍵となります。
防草シート付き人工芝生の特徴と敷き方

近年、DIYでの施工を検討されている方に人気なのが、あらかじめ裏面に防草シートが接着された「一体型」の人工芝です。ここでは、この一体型製品のメリットとデメリット、ホームセンターでの取り扱い状況、そしてきれいに敷くための具体的な手順について詳しく解説します。
- 防草シート付き人工芝のデメリット
- 人工芝防草シート一体型はカインズにある?
- 人工芝防草シート一体型の敷き方
- まとめ:防草シートと芝生の活用法
防草シート付き人工芝のデメリット
防草シートと人工芝が一体になった製品は、一度に敷設できるため施工時間を短縮できるという大きなメリットがあります。しかし、一方で施工性や防草効果に関して無視できないデメリットも存在します。
最大の難点は、カット作業の難易度が高いことです。通常の人工芝であれば、裏面から縫い目(ステッチ)を避けてカッターを入れることで、芝葉を巻き込まずにきれいに切断できます。しかし、一体型の場合は裏面がシートで覆われているため、縫い目の位置を目視できません。その結果、芝葉ごと切ってしまったり、断面が不揃いになったりするリスクが高まります。
また、つなぎ目の防草処理が甘くなりやすい点も注意が必要です。通常施工であれば、防草シートを重ねて敷いた上に人工芝を並べますが、一体型はシートごと突き合わせる形になるため、継ぎ目の下に「重ねしろ」が存在しません。この継ぎ目から雑草が生えてくるのを防ぐためには、別途、継ぎ目の下に連結用のテープや細い防草シートを敷くなどの対策が必要となり、結果的に手間が増える場合もあります。
人工芝防草シート一体型はカインズにある?
大手ホームセンターのカインズ(CAINZ)では、防草シート一体型の人工芝が販売されています。「防草リアル人工芝」などの名称で取り扱いがあり、店舗や公式オンラインショップで購入が可能です。
カインズで扱われている製品は、リアルな質感にこだわったものや、耐久性を高めたものなど種類も豊富です。実際に店舗へ足を運べば、芝の質感やシートの厚みを手で触れて確認できるため、ネット通販での購入に不安がある方にも適しています。また、施工に必要な固定ピンや粘着テープといった副資材も同じ売り場で揃うため、DIY初心者にとっては非常に利便性が高いと言えるでしょう。
ただし、店舗によっては在庫状況が異なる場合があるため、大量に購入する際や特定のサイズが必要な場合は、事前に在庫を確認するか、オンラインショップでの注文・店舗受け取りサービスを活用することをおすすめします。
人工芝防草シート一体型の敷き方
一体型の人工芝をきれいに、かつ防草効果を維持しながら敷くためには、下地作りと継ぎ目の処理が非常に重要です。以下の手順を参考にしてください。
- 下地を整える: 雑草を根から抜き取り、石を除去します。地面を平らにならし、足で踏み固めて転圧します。下地が凸凹だと水たまりができやすくなるため、丁寧に行いましょう。
- 仮置きとカット: 人工芝を広げ、敷く場所に合わせます。障害物がある場合はカットしますが、前述の通り裏から縫い目が見えないため、慎重に少しずつ刃を入れます。
- 継ぎ目の処理: 複数のロールを並べる場合、隣り合う芝の継ぎ目から雑草が生えないよう、継ぎ目の真下に「人工芝用ジョイントテープ」または「幅の狭い防草シート」を敷きます。これが最も重要な工程です。
- 固定: 周囲と継ぎ目部分をU字ピンで固定します。約50cm〜1m間隔を目安に打ち込みますが、風の影響を受けやすい場所は間隔を狭めます。
特に手順3の継ぎ目処理を省略すると、一体型の弱点である隙間からの雑草発生を招くため、必ず実施してください。
まとめ:防草シートと芝生の活用法
この記事では、防草シートと芝生の相性や、施工時の注意点について詳しく解説してきました。天然芝にシートは不向きである一方、人工芝には必須であり、その選び方や施工方法が将来の管理の手間を大きく左右します。また、人工芝とシートが一体になったタイプの特徴や境目の雑草対策など、多くの人が抱える不安への対処法もお伝えしました。
要点を整理すると、以下のようになります。
- 天然芝に防草シートは不要: 根の成長を阻害し、生育不良の原因となるため、使用は避けるべきです。
- 人工芝には高密度不織布のシートを: 遮光率が高く、突き抜けに強い不織布タイプを選ぶことで、長期間の雑草抑制が可能です。
- 一体型は継ぎ目に注意: 防草シート付き人工芝は手軽ですが、つなぎ目の防草処理を確実に行う必要があります。
- 下地処理が成功の鍵: 雑草の除去と整地、そして有機物を取り除くことが、害虫対策としても最も有効です。
- 境目は密着させる: 壁際やコンクリートとの隙間は、接着剤やテープで塞ぎ、雑草の侵入経路を断つことが大切です。




