ジューンベリーを植えてはいけない?後悔した人の体験談と失敗しない育て方

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ジューンベリーは、春の花や初夏の実、秋の紅葉など四季を通して楽しめる人気のシンボルツリーです。しかし一方で、「植えてはいけない」と言われることもあります。

その理由にはいくつかの管理上の問題が挙げられます。実が甘いため地面が汚れたり、鳥や害虫の被害を受けやすかったりする点が代表的です。また、手入れを怠ると風通しが悪くなり、うどんこ病などの病気を招くこともあります。落葉樹であるため秋には掃除の手間が増え、成長の早い品種では狭い庭に不向きな場合もあります。

しかし、鉢植えにするなど工夫をすれば管理を楽にしながら魅力を楽しむことも可能です。この記事では、ジューンベリーを植える前に知っておくべきデメリットや注意点、そして後悔しないための対策について詳しく解説します。

この記事でわかること
  • ジューンベリーを植えてはいけないと言われる具体的な理由
  • 実際にジューンベリーを植えて後悔した人の体験談
  • 害虫や鳥の被害を最小限に抑えるための対策
  • ジューンベリーの管理が難しい場合の代替案
目次

ジューンベリーを植えてはいけないと言われる理由

ジューンベリーを植えてはいけないと言われる理由

ジューンベリーが「植えてはいけない」と言われる背景には、害虫や鳥の問題、実や葉による汚れ、管理の手間など、いくつかの具体的な理由が関係しています。ここでは、ジューンベリーを庭に迎える前に知っておきたい潜在的なデメリットを、毒性の問題も含めて詳しく解説していきます。

害虫や鳥の被害が多く管理が大変

ジューンベリーの最大の魅力である「実」は、人間だけでなく多くの生き物にとっても魅力的です。そのため、避けられない問題が害虫と鳥の被害です。

特に鳥はジューンベリーの実が大好きで、熟すのを待っていると、ヒヨドリなどの鳥に一晩で食べ尽くされてしまうこともあります。鳥が集まると、実を食べ散らかしたり、フンで車やベランダ、外壁を汚したりする二次被害も発生しがちです。

また、ジューンベリーは比較的病害虫に強いとは言われますが、アブラムシやカイガラムシが付くことがあります。これらは樹液を吸って木を弱らせるだけでなく、病気を媒介することもあります。春から秋にかけては、毒針を持つイラガ(毛虫)が発生する可能性もあり、小さなお子様やペットがいるご家庭では特に注意が求められます。これらの対策に追われることが、管理の大変さにつながります。

実が落ちて地面が汚れやすい

ジューンベリーは6月頃にたくさんの実をつけます。収穫しきれなかったり、鳥が食べこぼしたりした実は、やがて地面に落下します。

この熟した実は柔らかく、潰れると果汁が飛び散ります。もし植えている場所がコンクリートの駐車場やタイル張りのテラスの上だった場合、紫色のシミがこびりついてしまうことがあります。この汚れは非常に落ちにくく、デッキブラシなどで強く擦る必要があり、掃除の手間が格段に増えてしまいます。見た目の美観を損ねるだけでなく、滑りやすくなる危険も伴います。

病気(うどんこ病・斑点病)にかかりやすい

ジューンベリーは、特定の病気にかかりやすい性質も持っています。代表的なのが「うどんこ病」です。これはカビの一種で、葉の表面に白い粉をまぶしたような状態になります。特に梅雨時期など、湿度が高く風通しが悪い環境で発生しやすくなります。

また、葉に茶色や黒っぽい斑点ができる「斑点病」(褐斑病やダークブロッチなど)も発生することがあります。これらの病気は、光合成を妨げて生育を阻害し、ひどくなると葉が早く落ちてしまい、木の美観を大きく損ねます。病気の発生は、木の健康状態や手入れの状況に左右されるため、日頃の観察と管理が欠かせません。

成長が早く狭い庭では大きくなりすぎる

ジューンベリーには多くの品種がありますが、一般的なものは生育が旺盛で、放っておくと3メートルから5メートル、品種によってはそれ以上の高さに成長することがあります。

庭に植えた時は小さくても、数年で予想以上に大きくなり、管理が難しくなるケースがあります。特に狭い庭や、隣家との距離が近い場所に植えた場合、枝が越境してしまったり、他の植物の日当たりを遮ったりする原因になります。木のサイズを維持するためには定期的な剪定が必須となり、高所での作業は危険も伴うため、大きな負担となる可能性があります。

夏の暑さに弱く、枯れることがある

ジューンベリーは本来、冷涼な気候を好む植物です。そのため、日本の夏特有の高温多湿、特に強い西日や地面の乾燥にはやや弱い面があります。

特に植え付けてから1〜2年の間は、まだ根が十分に張っていないため、真夏の高温乾燥時に水切れを起こしやすい傾向があります。水切れを起こすと、葉がしおれたり、ひどい場合には枯れてしまったりすることもあります。地植えで根付いてしまえば比較的手間はかかりませんが、夏の間の水やり管理には注意が必要です。

落葉で掃除の手間がかかる

ジューンベリーは秋の紅葉が美しい落葉樹です。つまり、秋が深まると全ての葉を落とします。

葉が落ちる時期は1〜2週間程度に集中することもありますが、その間は毎日のように落ち葉掃除が必要になります。自宅の庭だけならまだしも、落ち葉が風で飛ばされて隣家の敷地や公道に散らかってしまうと、近隣トラブルの原因にもなりかねません。特に住宅が密集している場所では、植える場所や日々の清掃に配慮が求められます。

ジューンベリーに毒性はある?子どもやペットへの影響

ジューンベリーの「実」に関して言えば、毒性はなく、人間が安全に食べることができます。

ただし、注意が必要なのは「葉」の部分です。ジューンベリー(アメリカザイフリボク)を含むバラ科の一部の植物の葉には、人間やペットにとって有害となる成分が含まれている可能性が指摘されています。情報によれば、摂取すると呼吸困難などを引き起こす場合があり、重篤なケースも報告されているようです。

そのため、小さなお子様や、犬や猫などのペットが誤って葉を口にしないよう、手の届く範囲の枝葉には十分注意を払う必要があります。

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ジューンベリーを植えて後悔した人の体験談と原因

ジューンベリーを植えて後悔した人の体験談と原因

魅力的なジューンベリーを植えたものの、実際に育ててみて「後悔した」と感じる人もいます。ここでは、収穫の悩み、掃除の手間、管理の難しさ、成長の早さ、病気など、先輩ガーデナーたちの具体的な体験談を集め、その原因がどこにあったのかを紹介します。

実を鳥に食べられて全く収穫できなかった

ジューンベリーを植える最大の楽しみに、実の収穫を挙げる人は多いです。しかし、「実が赤くなり始めたと思ったら、翌朝には鳥に全部食べられていた」という声は非常によく聞かれます。

特にヒヨドリなどは目が良く、食べ頃を正確に知っています。人間が「もう少し熟してから」と待っていると、あっという間に先を越されてしまいます。収穫を楽しみにして手間暇かけて育てたのに、自分たちの口には一つも入らなかった、という状況は、大きな後悔につながります。これは、ジューンベリーが鳥にとっても美味しいご馳走であることの裏返しと言えます。

果実の汚れでテラスや駐車場が汚れた

ジューンベリーの赤い実が落ちて潰れると、地面を汚すことは前述の通りです。この問題を軽視していたために後悔するケースも多いです。

「玄関アプローチのおしゃれなタイルの上に植えたら、実が落ちる時期はシミだらけになってしまった」「駐車場の真上に植えたため、車がフンや潰れた実で汚れる」といった体験談があります。一度こびりついた果汁のシミは簡単には落ちず、美観を大きく損ねます。植え付け時に、落下した実がどのような影響を及ぼすかを具体的に想定していなかったことが、後悔の原因と考えられます。

害虫対策や剪定に手が回らなかった

ジューンベリーは、アブラムシやカイガラムシ、イラガなどの害虫が発生することがあります。「虫が苦手なのに、毛虫(イラガ)が大量発生して駆除が大変だった」「アブラムシが新芽にびっしり付いてしまい、木が弱ってしまった」という声もあります。

害虫を発見するたびに薬剤を散布したり、手で取り除いたりするのは大変な労力です。また、風通しを良くするための剪定も、忙しい日々の中では後回しになりがちです。こうした日々のこまめな管理が追いつかず、木が弱ったり、害虫の温床になったりしてしまった結果、「植えなければよかった」と感じる人もいます。

成長が早く剪定してもすぐ茂る

「植えて数年で想像以上に大きくなった」「剪定してもすぐに新しい枝が伸びてきて、管理が追いつかない」というのも、よくある後悔の一つです。ジューンベリーの生育旺盛な性質を甘く見ていたケースです。

特に狭い庭では、成長の早さがあだとなります。剪定を怠るとあっという間に枝葉が密集し、風通しが悪くなって病害虫の原因にもなります。また、高くなりすぎると自分の手では剪定できなくなり、専門の業者に依頼する必要が出てきて、余計な費用がかかることにもなりかねません。

病気で枝枯れしてしまった

「葉に白い粉(うどんこ病)が吹いて見苦しくなった」「斑点病で葉が次々に落ちてしまい、スカスカになってしまった」など、病気に関する後悔も聞かれます。

病気は、主に風通しの悪さや湿度、木の健康状態が原因で発生します。適切な剪定をせず枝葉が密集していたり、日当たりが悪い場所に植えていたりすると、病気のリスクは高まります。病気によって枝が枯れてしまうと、樹形が乱れるだけでなく、最悪の場合、木全体が枯死してしまう可能性もあり、大きな後悔につながります。

思ったより大きくなり、日陰を作ってしまった

ジューンベリーが順調に成長すること自体は喜ばしいことですが、その結果、庭の他の部分に悪影響を及ぼすことがあります。「ジューンベリーが大きくなりすぎて、楽しみにしていた花壇に日陰を作ってしまい、他の花が育たなくなった」というケースです。

植え付けた当初の小さな苗木の姿からは、数年後にどれくらいの枝張りになるか想像しにくいものです。日照計画を考えずに植えてしまった結果、庭全体のバランスが崩れてしまうことも、後悔の原因となります。

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それでもジューンベリーを楽しみたい人のための対策と代替案

ここまで解説したようなデメリットは、適切な対策を講じることで軽減が可能です。この章では、鳥や病害虫への具体的な対処法、管理しやすい育て方、そしてジューンベリーの栽培が難しい場合に検討できるおすすめの代替植物について、詳しく紹介します。

鳥対策にはネットや防鳥テープが効果的

ジューンベリーの実を鳥から守るためには、物理的な対策が最も効果的です。木全体を覆うことができる「防鳥ネット」を設置すれば、鳥の侵入をほぼ防ぐことができます。ただし、鳥が入り込む隙間がないように、裾までしっかりと固定することが大切です。

木が大きくてネットをかけるのが難しい場合は、光の反射を嫌う鳥の習性を利用し、キラキラと光る防鳥テープや不要になったCDなどを枝に吊るす方法もあります。ネットほどの確実性はありませんが、一定の忌避効果が期待できます。

定期的な剪定と風通しの確保がポイント

ジューンベリーを健康に保ち、管理しやすくするためには、定期的な剪定が欠かせません。剪定の主な目的は、サイズをコントロールすることと、風通しを良くすることです。

最適な時期は、葉が落ちた後の冬(11月~2月頃)です。この時期に、内側に向かって伸びている枝や、混み合っている枝を根元から切り落とす「透かし剪定」を行います。これにより、内部まで日光が当たるようになり、風通しも改善されます。

風通しが良くなれば、うどんこ病などの病気や、カイガラムシなどの害虫の発生を予防することにつながります。ただし、ジューンベリーは夏に翌年の花芽を形成するため、冬に枝先を強く切り詰めすぎると、翌春の花や実が少なくなってしまうので注意が必要です。

鉢植えで管理すればサイズ調整が簡単

「実が落ちて地面が汚れる」「成長しすぎて管理できない」といった問題を根本的に解決する方法として、鉢植えでの栽培があります。

ジューンベリーには「バレリーナ」や「リージェント」といった、比較的コンパクトに育つ矮性(わいせい)品種もあります。こうした品種を選び、大きな鉢で育てれば、木の成長をコントロールしやすくなります。ベランダやテラスで管理すれば、実が落ちても掃除が簡単です。

ただし、鉢植えは地植えに比べて土が乾燥しやすいため、特に夏場の水切れには細心の注意を払う必要があります。

病害虫対策にはオーガニック薬剤を活用

害虫が発生した場合、薬剤に頼ることも一つの方法です。もし、収穫する実の安全性が気になる場合や、環境への影響を最小限にしたい場合は、オーガニック(有機JAS規格対応)の薬剤を活用するとよいでしょう。

例えば、天然の除虫菊エキス(ピレトリン)を使用したスプレーや、食品由来の成分で害虫を窒息させるタイプの薬剤が市販されています。

また、薬剤を使わない方法として、アブラムシには牛乳を薄めたスプレーをかける、カイガラムシは歯ブラシなどでこすり落とす、といった昔ながらの対策も有効です。まずは日頃から葉の裏などをよく観察し、害虫を早期に発見することが鍵となります。

狭い庭には代わりにブルーベリーやジューンブッシュもおすすめ

ブルーベリー
ブルーベリー

ジューンベリーの管理が難しいと感じる場合、他の果樹を検討するのも一つの選択肢です。例えば、ブルーベリーはジューンベリーと同様に実が楽しめ、株立ち状で樹高も抑えやすい品種が多いため、狭い庭や鉢植えにも適しています。ただし、ブルーベリーは自家結実性が低い品種が多く、実付きを良くするために2品種以上を近くに植える必要がある場合があります。

なお、「ジューンブッシュ」という名前が代替として挙げられることがありますが、これはジューンベリーの別名(シャッドブッシュなど)として使われることが多いため、注意が必要です。

もしジューンベリーの管理の手間を避けたいのであれば、前述の通りジューンベリーの「矮性品種」を選ぶか、またはブルーベリーのような他の管理しやすい果樹を選ぶことをおすすめします。

まとめ:ジューンベリーを植えてはいけないといわれる理由と対策方法

ジューンベリーが「植えてはいけない」と言われる背景には、害虫や鳥の被害、実が落ちて地面が汚れやすいこと、特定の病気(うどんこ病や斑点病)にかかりやすいことなど、管理上のデメリットが存在します。また、品種によっては成長が早く、夏の暑さに弱い面や、落葉樹ゆえの落ち葉掃除の手間もあります。ごくまれですが、葉の毒性により子どもやペットへの影響を心配する声も、後悔した人の体験談として聞かれます。

しかし、これらの問題点の多くは、適切な対策を講じることで解決または軽減が可能です。

  • 鳥対策には防鳥ネットやテープを使用する
  • 病害虫は定期的な剪定で風通しを良くして予防し、オーガニック薬剤で対処する
  • 汚れやサイズの問題は、鉢植えで管理するか矮性品種を選ぶ
  • 夏の暑さ(水切れ)には、植え付け初期の管理を徹底する
  • 代替案としてブルーベリーなどを検討する

ジューンベリーは、その手間を補って余りある魅力的な樹木です。今回紹介した対策方法を参考に、ご自身のライフスタイルや庭の環境に合っているかを判断し、植える場合はぜひ上手に管理して、四季折々の美しい姿と美味しい実を楽しんでください。

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