秋の深まりとともに鮮やかな花を咲かせるネリネは、その独特な形から彼岸花ですかと尋ねられることも多い植物です。和名は姫彼岸花といいますが、日の光を浴びてキラキラと輝く姿はダイヤモンドリリーとも呼ばれ、多くの人を魅了します。
贈り物として選ぶ際、ネリネの花言葉に怖い意味が含まれていないか心配になる方もいるかもしれません。しかし、実際にはまた会う日までといった再会を願う温かいメッセージや、幸せな思い出というポジティブな言葉が多く並んでいます。
色によって花言葉が変わるのか気になるところですが、ピンクや白といった多彩な色でも共通した意味を持っています。英語圏でもその美しさは高く評価されており、誕生花として大切な人に贈るのも素敵です。プレゼントする際の本数に決まりはありませんが、相手を想う気持ちを込めて贈ることが何より大切です。
- ネリネと彼岸花の違いや名前の由来
- 怖いと噂される花言葉の真実と意味
- 色やシーン別に適した贈り方のマナー
- 英語圏での呼び名や誕生花の日付
ネリネの花言葉に怖い意味はある?

ネリネはその美しい見た目とは裏腹に、怖い意味があるのではないかと不安に感じる方もいるようですが、実際にはポジティブな言葉が多く並んでいます。ここでは、ネリネとよく似た花との違いや名前の由来、そして気になる花言葉の真相について詳しく解説していきます。
- ネリネは彼岸花ですか?特徴の違い
- ネリネの和名は?名前の由来を知る
- ネリネに怖い花言葉はあるの?
- 花言葉のまた会う日までとは?
- 英語での花言葉と意味を紹介
ネリネは彼岸花ですか?特徴の違い
ネリネを見て「これは彼岸花ですか」と疑問に思う方は非常に多いです。実際、ネリネはヒガンバナ科に属しており、花の形も非常によく似ています。しかし、植物学的には彼岸花(リコリス属)とは異なる「ネリネ属」に分類される別の植物です。
最も大きな違いは、花びらの質感にあります。ネリネの花びらは光が当たると宝石のようにキラキラと輝く細胞構造をしており、これが「ダイヤモンドリリー」という別名の由来にもなっています。一方、彼岸花にはこのような光沢はありません。また、彼岸花は「花見ず葉見ず」と言われるように花が咲く時期に葉がありませんが、ネリネは花と葉を同時に楽しめる品種が多いのも特徴の一つです。開花時期も彼岸花がお彼岸の時期(9月下旬)に咲くのに対し、ネリネは少し遅れて10月から12月頃にかけて見頃を迎えます。
ネリネの和名は?名前の由来を知る
ネリネには「姫彼岸花(ヒメヒガンバナ)」という和名がつけられています。これは、前述した通り彼岸花に似ているものの、全体的に花が少し小ぶりで可愛らしい印象を与えることから名付けられたと考えられます。
「ネリネ」という属名は、ギリシャ神話に登場する美しい水の妖精「ネーレーイス(Nereis)」に由来します。神話によると、ネーレーイスは海神ネレウスの娘たちであり、その美しさは海底でも際立っていたとされています。ある日、彼女たちの美しい装飾品などが海から陸に流れ着き、それが美しい花(ネリネ)になったという伝説や、彼女たちの名前そのものが花の名の起源になったという説が伝えられています。この神秘的な生い立ちが、ネリネの持つどこか幻想的な雰囲気につながっているのかもしれません。
ネリネに怖い花言葉はあるの?
結論から言うと、ネリネに「死」や「呪い」といった直接的に怖い花言葉はありません。しかし、「忍耐」や「箱入り娘」という花言葉が含まれており、これらが受け取り手によっては少し重く、あるいはネガティブに感じられることがあるため、「怖い意味があるのでは」と噂されることがあります。
これらの花言葉は、名前の由来となった水の妖精ネーレーイスの神話に関係しています。彼女たちは美しいがゆえに、海底の宮殿の奥深くに住まわされ、自由に出歩くことが許されなかったという逸話があります。この不自由な生活や、地上への憧れを抱きながら過ごす様子が「忍耐」や「箱入り娘」という言葉に表れているのです。決して誰かを不幸にするような意味ではありませんが、自由を愛する人への贈り物にする際は、少し注意が必要かもしれません。
花言葉のまた会う日までとは?
ネリネが持つ「また会う日まで(また会う日を楽しみに)」という花言葉は、非常にロマンチックで温かい意味を持っています。これは、別れの寂しさよりも、再会への希望や期待を込めたポジティブなメッセージです。
この花言葉もまた、神話の背景に関連していると言えます。海底で暮らす妖精たちが、稀に地上に現れた際に見た美しい景色や人々との出会い、そして再び会いたいと願う気持ちが込められていると解釈できます。そのため、卒業式や送別会、あるいは遠距離恋愛をしているパートナーへの贈り物として最適です。「さようなら」ではなく「また会いましょう」という前向きな約束を、この花に託して伝えることができるでしょう。
英語での花言葉と意味を紹介
英語圏においても、ネリネ(Nerine)の花言葉は日本のものと大きく変わりません。一般的には「Happy memories(幸せな思い出)」や「Good fortune(幸運)」といった意味合いで親しまれています。
また、英語圏では学名のネリネよりも、その輝きから「Diamond lily(ダイヤモンドリリー)」という英名で呼ばれることが一般的です。ダイヤモンドのような輝きは、見る人に明るい気持ちや希望を与えてくれるため、お祝い事や華やかなパーティーの装飾花としても人気があります。海外の方へ贈る際も、この美しい呼び名とともに「素敵な思い出になりますように」というメッセージを添えれば、きっと喜ばれるはずです。
シーン別に贈るネリネの花言葉

鮮やかな色彩と輝く花びらを持つネリネは、プレゼントとしても非常に人気があり、シーンに合わせた選び方をすることでより相手に喜んでもらえます。色による意味の違いや具体的なイメージ、結婚式や誕生日といった特別な日におけるネリネの活用方法について見ていきましょう。
- ネリネの花言葉は色で違う?
- ピンクのネリネが持つイメージ
- 白のネリネとウェディング
- 誕生花として贈る際の日付
- ネリネを贈る本数に意味はある?
- ネリネの花言葉を添えて贈ろう
ネリネの花言葉は色で違う?
バラやチューリップのように、花の色によって花言葉が大きく変わる植物も多いですが、ネリネに関しては色による花言葉の明確な違いはありません。どの色のネリネを選んでも、「華やか」「幸せな思い出」「また会う日を楽しみに」といった共通の意味を持っています。
これは贈り物をする側にとっては大きなメリットと言えます。特定の色に縛られることなく、相手の好きな色や、その場の雰囲気に合わせて自由にカラーコーディネートを楽しむことができるからです。例えば、情熱的な赤、清楚な白、可愛らしいピンクなど、純粋に視覚的な美しさや相手への似合い具合を基準に選んで問題ありません。
ピンクのネリネが持つイメージ
ピンク色のネリネは、数ある色の中でも特に人気があり、流通量も多い品種です。ピンク色は優しさや愛情、幸福感を象徴する色であり、ネリネの持つ「幸せな思い出」という花言葉と非常に相性が良いと言えます。
柔らかいベビーピンクから鮮やかなショッキングピンクまで色の幅も広く、可愛らしい雰囲気を好む女性へのプレゼントや、母の日の贈り物としても適しています。また、その華やかさから「輝き」という花言葉を体現しているとも言え、見る人の心を明るく励ましてくれるようなポジティブなエネルギーに満ちています。気取らない感謝の気持ちを伝えたい時や、友人の誕生日祝いなど、幅広いシーンで活躍する色です。
白のネリネとウェディング
白いネリネは、純潔や無垢なイメージを与え、ウェディングシーンでブーケや会場装花としてよく使用されます。ここで興味深いのが、「箱入り娘」という花言葉との関連性です。
本来「箱入り娘」は不自由さを連想させる言葉とも取れますが、結婚式という文脈においては「大切に育てられてきた娘が、新しい家庭へと旅立つ」というストーリーとして肯定的に捉えることができます。また、白い花びらが光を受けてキラキラと輝く様子は、花嫁の美しさを引き立てるのにぴったりです。「華やか」で「幸せな思い出」を作る結婚式の日に、白いネリネは最高の演出役となってくれるでしょう。
誕生花として贈る際の日付
ネリネは10月から11月頃に見頃を迎えるため、この時期の誕生花として多くの日付が割り当てられています。10月や11月生まれの方へ、誕生日プレゼントとしてネリネを贈るのはとても粋な計らいです。
代表的な誕生花の日付は以下の通りです。
| 月 | 日付 |
| 10月 | 13日、17日、25日 |
|---|---|
| 11月 | 17日、25日 |
これらの日付に誕生日を迎える友人やパートナーがいれば、「あなたの誕生花だよ」と一言添えてプレゼントしてみてはいかがでしょうか。自分の誕生花をもらうことは、単に花をもらう以上に「自分のために選んでくれた」という特別感を感じられるものです。特に「華やか」という花言葉は、誕生日を祝う言葉として最適です。
ネリネを贈る本数に意味はある?
バラの花束には「1本なら一目惚れ」「108本なら結婚してください」といった本数ごとの意味が存在しますが、ネリネには現在、そのような特定の本数による花言葉の決まりはありません。そのため、ご自身の予算や花束としてのバランスを考えて自由に本数を決めることができます。
ただし、日本では古くから「4(死)」や「9(苦)」といった語呂合わせの数は縁起が悪いとして、お祝い事では避ける傾向があります。ネリネ自体に怖い意味はありませんが、マナーとしてこれらの本数は避けた方が無難です。見栄えを良くするためには、ネリネは1本の茎に対して複数の花をつけるため、比較的少ない本数でもボリュームが出やすい花です。5本から10本程度でも十分に見ごたえのある花束になりますし、他の季節の花と組み合わせてアレンジメントにするのもおすすめです。
ネリネの花言葉を添えて贈ろう
ネリネの美しさはもちろんですが、そこに込められた素敵な意味をメッセージカードなどで伝えることで、贈り物の価値はさらに高まります。「また会う日を楽しみに」という言葉は、転勤や卒業で離れ離れになる友人へ。「幸せな思い出」という言葉は、長年連れ添ったパートナーとの記念日や、親への感謝を伝える時に。
言葉では直接伝えにくい想いも、花言葉というフィルターを通すことで素直に表現できることがあります。ネリネの輝く花びらは、あなたの温かい気持ちを相手の心に強く印象付けてくれるはずです。ぜひ、シチュエーションに合った花言葉を添えて、大切な人へネリネを贈ってみてください。
ネリネの花言葉まとめ
ネリネは「姫彼岸花」という和名を持ちながら、彼岸花とは異なる輝きを持つ美しい花です。色によって花言葉が変わることはなく、ピンクや白などどの色を選んでも「華やか」や「幸せな思い出」といった素敵な意味を相手に届けることができます。一部で「怖い」と誤解されることもありますが、それは神話に由来する「忍耐」や「箱入り娘」といった言葉が独り歩きしたものであり、決して不吉な花ではありません。むしろ「また会う日を楽しみに」という再会を願う言葉や、英語圏での「ダイヤモンドリリー」という輝かしい呼び名は、誕生花としての贈り物や、本数を調整した花束のプレゼントに最適です。
- ネリネに死や呪いのような怖い意味はなく、再会や幸福を願うポジティブな花言葉が多い。
- 彼岸花と似ているが、花びらに光沢があり「ダイヤモンドリリー」と呼ばれる別種である。
- 色による花言葉の違いはないため、相手の好みに合わせて自由に選べる。
- 「忍耐」などの言葉はギリシャ神話の妖精の物語に由来している。
- 誕生花や記念日の贈り物として、メッセージを添えて贈るのがおすすめ。



