植えっぱなしの球根なら掘り上げ不要!毎年勝手に咲くおすすめ品種と失敗しないコツ

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球根を植えっぱなしにして毎年綺麗な花をさかせたいと思う人は多いでしょう、球根の種類さえ間違えなければ、一度植えれば数年間は掘り上げ不要で楽しむことができます。

球根を植えっぱなしで大丈夫?と心配される方もいますが、適切な環境であれば自然に分球し、翌年も美しい花を咲かせてくれます。

本記事では、ほったらかしで毎年咲く球根の特徴や、植えっぱなしの球根のメリットやデメリットについて詳しく解説します。

また、初心者にもおすすめの植えっぱなしにできる球根の種類、日陰で植えっぱなしにできる球根や夏越しできる植えっぱなしできる球根も紹介します。育て方のコツもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 植えっぱなしにできる球根の種類とその特徴について
  • 植えっぱなし栽培のメリットとデメリットや注意点
  • 日陰や地植えなど環境に合わせた球根の選び方
  • 毎年花を咲かせるための具体的な管理方法やコツ
目次

植えっぱなしの球根とは?特徴・メリット・デメリットを徹底解説

植えっぱなしの球根とは?特徴・メリット・デメリットを徹底解説

植えっぱなしの球根とは、花が終わった後に掘り上げる必要がなく、数年間は土に植えたままで毎年開花する種類の球根植物を指します。

ここでは、ほったらかしで育つその特徴や、植えっぱなしにした場合に起こり得る状態、そして栽培における具体的なメリットやデメリットについて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

植えっぱなしの球根とは何か

植えっぱなしの球根とは、一度土に植え付ければ、花が終わった後の「掘り上げ」という作業を行わずに、そのまま土の中で管理できる球根のことです。

一般的なチューリップなどの園芸品種は、日本の高温多湿な夏に弱く、土の中で腐ってしまうことが多いため、花後に球根を掘り上げて乾燥保存する必要があります。一方で、原種に近い品種や特定の性質を持つ球根は、環境適応能力が高く、土の中で夏や冬を越すことができます。

これらの球根は、自然に近い状態で育てることができるため、手間がかからず、ナチュラルな雰囲気の庭づくりに適しています。

球根を植えっぱなしにしておくとどうなる?

耐性のある球根を適切な場所に植えっぱなしにしておくと、地下で球根が分球して増えていき、年々花数が増えていく様子を楽しむことができます。

最初の年はまばらだった花も、2年、3年と経つにつれて株が充実し、地面を覆うように咲き誇るグランドカバーのような景観を作ることが可能です。ただし、あまりに長期間植えっぱなしにすると、球根が増えすぎて過密状態になり、一つひとつの球根が小さくなって花つきが悪くなることがあります。

そのため、数年に一度は掘り上げて株分けをするなどの手入れが必要になる場合もあると理解しておきましょう。

植えっぱなしの球根のメリット・デメリット

植えっぱなしの球根には、多くのメリットがある一方で、知っておくべきデメリットも存在します。これらを理解した上で導入することが、失敗しないガーデニングへの近道となります。

メリット

最大のメリットは、何といっても管理の手間が大幅に省けることです。毎年の掘り上げや植え付け作業が不要なため、忙しい方でも気軽に花を楽しむことができます。また、一度購入すれば数年間は楽しめるため、経済的でもあります。さらに、環境が合えば自然に増えていくため、年々豪華になる花姿を見ることができるのも大きな喜びです。

デメリット

デメリットとしては、花が終わった後の葉を、枯れるまで残しておく必要がある点が挙げられます。球根は葉から光合成を行い、翌年のための栄養を蓄えるため、開花後すぐに葉を切ることはできません。そのため、茶色く枯れていく葉が花壇に残る期間があり、見栄えが少し悪くなることがあります。また、前述の通り、増えすぎると過密になって花が咲きにくくなるため、定期的な植え替えが必要になるケースもあります。

ほったらかしで毎年咲く球根の特徴

ほったらかしでも毎年花を咲かせる球根には、いくつかの共通した特徴があります。まず、原種または原種に近い品種であることが多いです。

これらは品種改良が進んだ豪華な園芸種に比べて、野生の強さを残しており、病害虫や環境の変化に強い傾向があります。次に、球根のサイズが比較的小さい「小球根」と呼ばれるタイプが多いのも特徴です。ムスカリやハナニラなどがこれに該当し、これらは繁殖力が旺盛で、こぼれ種や分球によって自然に範囲を広げていきます。

さらに、寒さに強く、日本の冬の気候に適応できる耐寒性を持っていることも重要な要素です。

植えっぱなしにできない球根

すべての球根が植えっぱなしにできるわけではありません。特に、大輪の豪華な花を咲かせる園芸品種のチューリップやヒヤシンスなどは、改良の過程で性質が弱くなっていることが多く、植えっぱなしにすると翌年は花が咲かないか、球根が消滅してしまうことが一般的です。

また、ダリアやグラジオラスなどの「春植え球根」の多くは寒さに弱く、冬の霜で球根が腐ってしまうため、秋には掘り上げて凍らない場所で保管する必要があります。これらの球根を育てる場合は、季節ごとの適切な管理が必要になることを覚えておきましょう。

球根の購入時期と保管のコツ

秋植え球根は、9月頃から園芸店やホームセンターに並び始めます。球根は季節限定の商品であり、人気の品種や状態の良いものから順に売り切れてしまうため、早めに購入することをおすすめします。

選ぶ際は、ずっしりと重みがあり、カビや傷がない、皮に艶があるものを選びましょう。購入後は、すぐに植え付けず、植え付け適期まで適切な場所で保管します。保管場所は、直射日光が当たらず、風通しの良い涼しい場所が最適です。

高温多湿な場所に置くとカビが生えたり、腐ったりする原因になるため注意が必要です。ネット袋に入れて吊るしておくのが理想的です。

植える時期の目安

秋植え球根の植え付け時期は、一般的に紅葉が見頃を迎える頃、気温が15℃前後まで下がった時期が目安とされています。地域によって異なりますが、関東以西の平地では10月中旬から11月下旬頃が適期です。

早く植えすぎると、冬の寒さが来る前に葉が伸びすぎてしまい、寒さで傷んでしまう可能性があります。逆に遅すぎると、十分に根が張れずに春の開花に影響が出ることがあります。その年の気候を見ながら、「紅葉」を目印にして植え付けを行うと、失敗が少なくなります。

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ここからは、具体的におすすめの植えっぱなしの球根を季節や環境別にご紹介するとともに、失敗しないための育て方のポイントを解説します。日向だけでなく、日陰でも育つ品種や、夏越しが容易な品種など、それぞれの庭の環境に合った球根を選ぶことで、ローメンテナンスで美しい花壇を作ることができます。

植えっぱなしにできる球根一覧

まずは、植えっぱなしでもよく育つ代表的な球根を一覧で確認してみましょう。これらの品種は強健で、日本の気候でも比較的管理が容易です。

スクロールできます
分類植物名開花時期特徴
秋植えスイセン12月~4月非常に丈夫。房咲きや八重咲きなど種類豊富。
秋植えムスカリ3月~5月青紫色の小花。繁殖力が強く、グランドカバーに最適。
秋植えハナニラ3月~4月星型の花。非常に強健で、どんどん増える。
秋植え原種チューリップ3月~4月小ぶりで可憐。園芸種と違い数年は植えっぱなしOK。
秋植えスノーフレーク3月~4月スズランのような白い花。半日陰でも育つ。
秋植えアリウム4月~6月ネギ坊主のような花。小輪系は植えっぱなし向き。

秋植えの植えっぱなし球根

秋に植えて春に花を楽しむ球根の中で、特に植えっぱなしに向いているものを紹介します。

スイセン

スイセン

スイセンは3~4年は植えっぱなしでも元気に咲き続ける、非常に丈夫な球根です。品種によって開花時期が異なり、早咲きのものは冬から楽しめます。日当たりと水はけの良い場所を好みますが、多少の日陰でも育ちます。

ムスカリ

ムスカリ

「ブドウヒヤシンス」とも呼ばれるムスカリは、鮮やかな青紫色の花が愛らしい小球根です。非常に寒さに強く、一度植えると自然分球でどんどん増えていきます。花壇の縁取りや、他の草花との寄せ植えにも適しています。

ハナニラ(イフェイオン)

ハナニラ

春に星型の白や青の花を無数に咲かせます。その名の通り葉を傷つけるとニラのような匂いがしますが、花はきれいです。非常に性質が強く、ほとんど手入れをしなくても毎年花を咲かせます。

原種チューリップ

原種チューリップ

一般的なチューリップとは異なり、植えっぱなしでも数年間は開花します。草丈が低く、野趣あふれる姿が魅力です。ロックガーデンや鉢植えにも向いています。

春植えの植えっぱなし球根

春に植えて夏から秋に咲く球根にも、植えっぱなしにできるものがあります。ただし、寒さに弱いものが多いため、寒冷地では冬に掘り上げが必要な場合があります。

ゼフィランサス(タマスダレ)

ゼフィランサス

「レインリリー」とも呼ばれ、雨の後に花を咲かせる性質があります。暖地であれば植えっぱなしで冬越しも可能で、夏から秋にかけて長く花を楽しめます。

オキザリス

オキザリス

種類が非常に多く、春植え、秋植えそれぞれの品種があります。カタバミの仲間で非常に強健です。庭に植えると雑草化するほど増えることがあるため、植える場所には注意が必要です。

夏越しできる植えっぱなし球根

日本の夏は高温多湿で、球根にとっては過酷な環境です。しかし、以下の球根は夏の暑さに強く、植えっぱなしで夏越しが可能です。

ラナンキュラス・ラックス

ラナンキュラス・ラックス

一般的なラナンキュラスは夏越しが難しいですが、「ラックス」シリーズは植えっぱなしでも夏を越せる画期的な品種です。花びらがピカピカと輝くのが特徴で、庭植えでも豪華に咲き誇ります。

カマッシア

北アメリカ原産の球根で、春から初夏にかけて星型の花を咲かせます。湿り気のある場所を好み、日本の梅雨時期のような環境にも比較的耐えることができます。

日陰で植えっぱなしにできる球根

日当たりが悪い場所でも、諦める必要はありません。以下のような球根は、半日陰や木漏れ日の当たる場所を好みます。

スノードロップ・スノーフレーク

スノードロップ・スノーフレーク

早春にうつむき加減に咲く白い花が特徴です。夏の直射日光が苦手なため、落葉樹の下などが適しています。明るい日陰であれば、毎年可愛らしい花を見せてくれます。

シラー(ヒアシンソイデス)

シラー(ヒアシンソイデス)

ベル型の小花を咲かせるシラーは、夏の暑さを避けるために休眠します。そのため、夏に木陰になるような場所であれば植えっぱなしで管理できます。青、白、ピンクなどの花色があり、群生させると見事です。

プスキニア

プスキニア

白地にブルーのストライプが入る清楚な花です。寒さに強く、寒冷地では植えっぱなしが可能です。高温多湿にはやや弱いため、暖地では水はけの良い半日陰を選びましょう。

初心者に向いている植えっぱなし球根の選び方

初めて挑戦する場合は、環境適応能力が高く、失敗が少ない品種を選ぶことが大切です。

特におすすめなのは「ムスカリ」と「スイセン」です。これらは暑さ寒さに強く、土質もあまり選びません。また、「原種系」と名の付くものを選ぶのも良い方法です。原種チューリップや原種シクラメン(ヘデリフォリウムなど)は、病気にも強く、自然な雰囲気で庭に馴染みます。選ぶ際は、植える場所の日当たり条件を確認し、それに合った品種を選定しましょう。

植えっぱなし球根の植え方

植え付けの基本は、水はけの良い土壌を作ることです。庭植えの場合は、腐葉土や堆肥を混ぜ込んで土をふかふかにしておきます。球根を植える深さは、一般的に球根の高さの2~3倍程度が目安です。ただし、植えっぱなしにする場合は、浅く植えると分球しすぎて花が咲きにくくなることがあるため、やや深めに植え付けるのがコツです。複数の球根をまとめて植える「群植」をすると、開花時に見栄えが良くなります。

植えっぱなし球根の肥料の与え方

植え付け時には、元肥として緩効性の化成肥料を土に混ぜておきます。そして、最も重要なのが、花が終わった後の「お礼肥(おれいごえ)」です。花が咲き終わった直後に、即効性のある液体肥料や化成肥料を与えます。これにより、花を咲かせて消耗した球根に栄養を補給し、来年のためのエネルギーを蓄えさせることができます。休眠期に入った後は、肥料を与える必要はありません。

何年も咲かせるための管理ポイント

何年も継続して花を楽しむためには、花後の管理が鍵となります。花が終わったら、花茎の根元から切り取り、種ができないようにします。種ができると、栄養がそちらに使われてしまい、球根が太りません。一方で、葉は絶対に切ってはいけません。葉が自然に黄色く枯れるまで光合成を続けさせることで、球根に養分が蓄えられます。葉が完全に枯れたら、取り除いて見た目をきれいにしましょう。

花が咲かなくなった時の原因

数年は咲いていたのに、急に花が咲かなくなった場合、いくつかの原因が考えられます。

1つ目は「過密化」です。球根が増えすぎて土の中が窮屈になり、十分な栄養が行き渡らなくなっている可能性があります。

2つ目は「日照不足」です。周りの木や草が茂って日陰になっていないか確認してください。

3つ目は「肥料不足」または「肥料のやりすぎ」です。特にチッソ分が多い肥料を与えすぎると、葉ばかりが茂って花が咲かないことがあります。

花数が減ったときの手入れ方法

花数が減ってきたと感じたら、球根の掘り上げと株分けのサインです。葉が枯れた後の休眠期(6月頃が目安)に、一度球根を掘り上げます。繋がっている球根を手で分け、大きくて充実した球根だけを選別します。小さな球根は、開花まで数年かかるため、別の場所で肥大させるか、整理します。土壌改良を行った後、適切な間隔を空けて植え直すことで、再び元気な花を咲かせるようになります。

植えっぱなし球根を増やす方法

植えっぱなしの球根の多くは、自然分球で増えていきます。ムスカリやハナニラなどは、放っておいても勝手に増えるほどです。また、原種シクラメンなどの一部の品種は、こぼれ種でも増えます。意図的に増やしたい場合は、前述の掘り上げ作業の際に、分球した子球を丁寧に分けて植え付けます。焦らず自然のサイクルに任せて、徐々に群生を広げていくのが楽しみ方の一つです。

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地植えで毎年咲く花

ローメンテナンスな花壇を作るなら、植えっぱなしの球根に加えて「宿根草(しゅっこんそう)」や「多年草」を組み合わせるのがおすすめです。

これらは一度植えれば毎年花を咲かせ、年々株が大きくなります。例えば、クリスマスローズ、エキナセア、シュウメイギクなどは丈夫で育てやすく、球根植物が開花していない時期の彩りとなります。球根植物と開花時期をずらして植栽することで、一年中花の絶えない庭を作ることが可能になります。

宿根草との相性のよい組み合わせ

植えっぱなしの球根のデメリットである「花後の枯れた葉」を目立たなくするために、宿根草との混植が非常に有効です。例えば、スイセンやチューリップの近くに、春から初夏にかけて葉を広げるギボウシ(ホスタ)やヒューケラを植えておきます。

そうすると、球根の花が終わって葉が枯れ始める頃に、宿根草の葉が茂り、枯れた部分を自然に隠してくれます。このように、植物同士の成長サイクルを活かした組み合わせを考えると、常に美しい景観を保つことができます。

ナチュラルガーデン風の植栽事例

人工的すぎない、自然な雰囲気の庭(ナチュラルガーデン)を目指すなら、球根を「ばらまき植え」にする手法があります。球根を規則正しく並べるのではなく、パラパラと地面に撒き、落ちた場所にそのまま植え付ける方法です。これにより、野原に自生しているような自然な配置になります。

例えば、落葉樹の足元にスノードロップや原種シクラメンを植え、その周りに這うように広がるタイムやアジュガなどのグランドカバープランツを配置します。こうすることで、高低差と奥行きが生まれ、四季の移ろいを感じられる優しい空間が出来上がります。

まとめ|植えっぱなしの球根で失敗しないポイント総復習

また、植えっぱなしの球根のメリット・デメリットを理解し、ほったらかしで毎年咲く球根の特徴を活かした配置を行うことで、管理が楽で美しい庭を実現できます。最後に、植えっぱなしの球根の育て方の重要ポイントを振り返りましょう。

  • 品種選び: スイセン、ムスカリ、原種系など、耐寒性・耐暑性に優れた品種を選ぶ。
  • 植え付け: 水はけの良い土壌を作り、紅葉の時期を目安にやや深めに植え付ける。
  • 花後の管理: 花が咲き終わったら花茎を切り、葉は自然に枯れるまで残して光合成をさせる。
  • 肥料: 花後すぐに「お礼肥」を与え、翌年のための球根を太らせる。
  • 定期的なケア: 花数が減ったり過密になったりしたら、数年に一度は掘り上げて株分けを行う。

これらのポイントを押さえれば、ガーデニング初心者の方でも、季節ごとに彩り豊かな花々を楽しむことができるでしょう。ぜひ、お気に入りの球根を見つけて、素敵な庭づくりに挑戦してみてください。

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